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CHOCO❤︎LAVE

第9章 新人さん



聖輝「そういえば…この間質問した時、趣味はないって言ってたよね?」


森本「いいましたね。」


聖輝「あれ…嘘だったの?」


森本「話しかけられたくないって思ってましたからね。」


聖輝「ひっ酷い!せっかく気を遣って話しかけてたのに…」


森本「それがウザかったんですよ。」


聖輝「ゔぅ…」


森本「ふふっ、涼野くんって表情分かりやすいから面白いですね。」


聖輝「全然面白くないよ!」


森本「あははっ!その顔マジで面白い!」


聖輝「なっ?!」


後輩にバカにされるなんて…


ちょっと屈辱だ…


森本「ははっ…久しぶりですよ、お腹の底から笑ったなんて…」


聖輝「えっ?」


森本「俺、高校の頃まですげぇ冷めた人間だったので。」


聖輝「えっと…スクールカーストだっけ?」


森本「はい、それのせいで自分の感情を表に出せなくなったんですよ。」


森本「常に偽りの自分を作って、それを見た周りが寄ってたかって…」


森本「ろくな学生時代じゃなかったですね。」


聖輝「そっか…」


森本「大学から東京に来て、スクールカーストなんてないって分かっているんですけど…どうも自分の本性を現すのが難しくて…」


森本「だから、自然と周りと距離を取ってしまうんでしょうね…」


聖輝「そんな…もったいないよ!」


森本「えっ?」


聖輝「せっかく大学生になって…東京に来て…新しい環境に触れてるのに…過去の自分に囚われて何もできないなんて…」


聖輝「僕も高校時代は嫌な思い出があったけど…でも、今は僕なりに頑張って一生懸命大学生ライフを満喫してる。」


聖輝「だから…森本くんも変われるよ!」


森本「……。」


聖輝「あっ…ごめん、急に熱入っちゃって…」


森本「いえ、相変わらず鬱陶しいお節介だなって。」


聖輝「鬱陶しい…」


森本「でも、今の俺にはそれくらい言ってくれる人がいてくれた方がいいかもしれませんね。」


聖輝「森本くん…」


森本「涼野くんを見習って、少しずつ自分をさらけ出していこうと思います。」


聖輝「うん、頑張って!」


森本くんなら絶対変われる…


僕は心の中でそう思った。

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