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愛が、はじまるとき 「改訂版」

第1章 愛が、はじまるとき 「改訂版」

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 でも、そんな話のあいだにも、セックスの話もしてくれた。
 セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだ、というのを、くりかえしくりかえし、話してくれた。
 それを聞くたびに、彼が、いかに自分勝手なセックスをしてきたのかがわかり、もう別れようと、決心した。
 満さんは、わたしが言うのもなんだが、若い魅力的な女性が、下着だけで、同じ布団にいるのに、ただ優しく抱いてくれているだけだった。
 この人は、わたしに、魅力を感じていないのかなと、思ってしまった。
 でも、なにかの拍子に、満さんのあれが、わたしの足に触れることがあったが、そのとき、あれが固く大きくなっているのがわかり、すこしドキッとした。
 それでも、満さんは、優しく、話をしてくれるだけだ。
 わたしは、なんだか、母の懐に抱かれているような気分になった。
 満さんが、男が、あれを固く大きくして隣にいるのに、母に抱かれていると思うのは、おかしな感じだけど。
 それだけ、わたしが、満さんを信頼しはじめたということだろう。
 いつ、眠ってしまったのかわからなくて、気が付いたら、朝だった。
 わたしが、あわてて起きようとしたら、満さんは、
 「きょうは、
  休みでしょう」
 と言い、
 「さあ、
  こっちに、
  いらっしゃい」
 と言いながら、抱いてくれた。
 優しく抱いてくれながら、
 「もうすこし、
  眠ったらいいですよ。
  眠って、
  彼のことは、
  忘れなさい」

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