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愛が、はじまるとき 「改訂版」

第1章 愛が、はじまるとき 「改訂版」

         13

 バスタオルを巻いたままで布団に入ってから、しばらくは、わたしを、抱きしめているだけだった。
 「里美さん。
  これも取りましょうか」
 「はい」
 「はだかで抱きあう気持ちよさを、
  感じてください」
 この人は、ほんとに、わたしの気持ちを、考えてくれているんだと思った。
 わたしは、セックスといったら、ベッドに横になるとすぐに、わたしの中に入ろうとするものだと思っていた。
 満さんは、セックスは、二人でするもの、ということを、わたしに、教えてくれようとしている。
 はだかで抱きあうのが、こんなに気持ちいいものだと、はじめて知った。
 そのうち、唇にチュッとキスをしてくれた。
 なんどもなんども。
 その優しいキスが、すこしずつ、わたしを、エッチな気分にしてくれる。
 キスが、チュから、唇を合わせたものになり、口の中に舌が入ってきた。
 そして、わたしのからだを、ゆっくりゆっくり、撫ではじめた。
 ときどき、キスもしてくれながら。
 そのあいだ、満さんは、わたしに、肌がきれいだ、瞳がきれいだ、髪がきれいだ、指がきれいだ、と言ってくれる。
 そして、その褒めてくれたところに、キスをしてくれる。

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