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愛が、はじまるとき 「改訂版」

第1章 愛が、はじまるとき 「改訂版」

         17

 そのあと、満さんが、
 「里美さん、
  もう、
  入ってもいい?」
 と言ったとき、
 「うん、
  はやく」
 と、思わず言ってしまって、恥ずかしかった。
 それなのに、満さんは、
 「なにを、
  はやくなの」
 「はやく、
  お願い」
 「だから、
  なにを」
 「言えない。
  恥ずかしい。
  でも、
  ほんとに、
  はやく、
  お願い」
 その、わたしの願いを聞いてくれたからか、満さんは、入ってくれた。
 わたしは、嬉しくて、思わず「あーっ」と言った。
 でも、少しだけ入ったところで、止まってしまった。
 「どうして?」
 「なにが?」
 「ねぇ、
  もっと」

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