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愛が、はじまるとき 「改訂版」

第1章 愛が、はじまるとき 「改訂版」

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 思わず、ポロッと涙が落ちた。
 満さんに、可哀そうにと言われたことで、彼の、強引さがはっきりわかったし、それに、嫌と言えない自分を、情けなく感じたのだ。
 それに、満さんの、優しさが、嬉しかったからだ。
「したくないと言ったら、
  怒るんです」
 「ひどい奴だ。
  そんな奴とは、
  別れたほうがいいですよ」
 「そう思っているんですが…」
 「じゃあ、
  なぜ?」
 「いちど、
  別れたいと言ったら、
  怒りだして、
  怖かったんです」
 「DVですよ」
 「やっぱり、
  DVですか?」
 「そうですよ。
  彼のような場合、
  私は、
  セックスDVと、
  言っています」
 「セックスDV?」
 「私が、
  勝手にそう呼んでいるんですが、
  でも、
  ピッタリでしょう」
 「はい。
  そう思います」

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