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明日への扉 ~~ 伝えたい気持ち

第4章 バイト先・其の壱


 ユニフォームに着替えてお仕事開始!                  

 本日のお掃除スケジュールは、
 3時のおやつ休憩まで通常通り
 割り当てフロアーの廊下とトイレを掃除。

 休憩の後、コスモ企画で一二を争う
 大物プロデューサー・小山田さんの執務室で、
 彼ががのべつまくなしに収集してきたやたら分厚い
 専門書や、書き上げた傍からただ無造作に
 積み重ねられいくつもの山になっている
 企画書の整理整頓アルバイト。

 小山田という人物はちょっとした変人で、
 無類のバレエヲタクで知られる。
 
 一旦何かの研究や論文の執筆にかかってしまうと
 周りの事など全く見えなくなって。
 
 自分の執務室がどんなに汚れていようが気にせず、
 放っておけばあっという間にゴミ屋敷さながらの
 惨憺たる有り様になってしまうので、
 人事部に勤務している奥方が定期的に執務室の清掃と
 整理整頓を業者に頼んでいるのだ。

 いつもこのバイトをする時
 パートナーを組む幼なじみの手嶌幸作が、
 かがめていた腰を伸ばし大きくひと息ついて
 言った。

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