たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
学校の方も、二学期に入ると本格的な受験モードになった。
みんなそれぞれの目標に向かって、ひたすら勉強漬けの日々。中には就職組もいるけれど、ほとんどが進学組だった。
実は武も、一学期までは『就職組』だった。
なのに……さっきも言ったけど、急に『大学に行く』と言い出した。
しかも――私と同じところに。
(せっかく恋人同士になれたんだ。
俺……実果留と同じ時間を、もっと共有したい)
勉強が嫌いなクセに……。ホント、バカなんだから。
「……おいコラ」
武が急に不機嫌そうにした。
「な、何よ?」
「人に勉強させておいて、お前はニタニタしてるだけかよ」
「え゛!?」
ニタニタしてた? 私が?
……どうやら考えていたことが、表情に出ていたみたい。