たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
でも……もう一つ、このネックレスに寄り添うように売られていた、あのレディースのリングネックレス……可愛かったなぁー。
リング部分は細めのピンクゴールドで、すごく心惹かれたんだよね。
あれも買えたら、武とペアで身に付けられたんだけど……今の私の経済力じゃあ、これ一個で精一杯。
ペアはまたそのうち、違うのですればいいよね?
とにかく、武には何かしらの『恋人の証』を身に付けてほしかった。
だって……最近の武、やたらモテるんだもん。
学校でも、帰り道でも、武は他のコから告白されるようになったし。
友達曰く、
(実果留と付き合うようになってから、いい男度が増した気がするのよねー)
だそう。
言われてみると、そうのような気もするかも。私からしたら、前からいい男度は高めだったんだけど……。
彼女としてはそれを喜ぶべきなのに、他のコに取られやしないかとヒヤヒヤしちゃう心配の種でもある。
三ヶ月記念に……という名目のプレゼントは、そんな私の束縛感も込められていた。