たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
引っ掛かったモノを、視界に入るように持ち上げると――
「ウソっ……コレって――」
私が心惹かれた、あのネックレス……。
「……うん。やっぱり似合ってるな」
「ど、どうしてコレを!?」
「いや……三ヶ月経ったし、何か恋人らしい物やりたくて探してたら、ソレが目に付いてさ。絶対にお前に似合うって、インスピ湧いたんだよ。
ホントはさー、ペアとかにしたかったけど……ぶっちゃけ高くて力及ばずで……。まぁ、今はお前のだけでもいいかって。ペアはそのうち、違うのですれば…………って、実果留!? お前っ、何泣いてんだよっ!」
武に指摘されて、気づいた。
いつの間にか感涙していたことに……。
「ていうかさぁー……私達って何でこんなに似てるのぉ?」
「はい?」
「顔も、考え方も……買う物もっ――」
私はスクールバッグから、サプライズし損ねた小さなプレゼントを取り出して、武に差し出した。
「……まさか、お前も?」
武の問い掛けに、黙って頷いた。
「ソレ。もらって……いいのか?」
また黙って頷くと、武はそうっとプレゼントを手にした。
そして、優しくリボンをほどいてから箱を開け、その中身に照れ笑いをしながら、ネックレスを取り出して身に付けてくれた。
「……どうだ? 似合うか?」
「うん……とっても……」
それを身に付けた武がカッコよくて、胸がキュン……とした。
「ははっ。やっぱり俺らって、リアル双子だなー」
「っ、武っ……」
「うわっ、実果留っ……」
私はたまらなくなり、真正面から武の首に抱きついた。