たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
それから私と武は、寄り添い合ったまま心地よく眠ってしまい、
目を覚ましたら、もうすぐ6時になろうとしていた。窓の外にある空も、明るい青色から暗い藍色に染まっている。
「――はっ」
その時間を目にすると、焦ってカバッと起き上がった。
いけないっ。早く着替えないと、武ママが帰ってきちゃう。
武は? ……まだ眠ってるー。
「ふふっ。相変わらず気持ち良さそうに眠っちゃって……このやろう」
私は久しぶりに、武のほっぺをギュッとつねってみた。
「う? うーん……むにゃむにゃ……」
ぷっ。やっぱり起きないしっ。
昔と一緒。
てことは……こんなことしても起きないよね?
私は武に顔を近づけて、そうっと唇を重ねた。
「ぐー…………」
やっぱり起きない。もう、隙がありすぎ。
でもあの頃と違って、今は勝手にキスしても堂々と幸せに浸っていいってのが嬉しい……。
私はニヤついたままベッドの隅に座り、手を伸ばして床に散らばった衣類を拾い上げると、下着から順に身につけていった。