たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
ブラウスのボタンを留めて、次はスカート……のところで、
「きゃっ……」
後ろから肩を腕に巻かれ、ビクッと揺らした。
顔だけ振り返ると、
「ん……おはよ。実果留」
「た、武……」
まだ眠ってると思っていた武がピッタリくっついていた。
……ん? 寝起きの武にしては、珍しくパッチリと目が開ききってる?
「えっ……武? もしかして、寝ぼけて……ない、の?」
「寝ぼけてねぇよ。さっきからずーっと起きてたんだからよー」
「…………は?」
武からそう言われると、徐々に羞恥の熱が上昇した。
「さっきからって……い、いつから?」
「んー……実果留が起き上がる前から?」
「なっ……! こ、このタヌキっ!」
「いてっ」
私を巻いている腕に平手打ちした。
それって……キスした時も起きてたってことじゃん!
「叩くなよ。キス泥棒ー」
「ーーーーっ! も、もーうっ、意地悪っ!」
「ははっ、ウソウソ。ごめんなー」
うっ……意地悪の後の頭ポンポンって、ズルい……。
なーんて、イチャイチャしてる場合じゃないんだった!