たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
「た、武っ。早く着替えないと……」
「なーに言ってんだよ。まだ着替えねぇよ。ていうか、勝手に着替えようとすんなよ」
焦る私に反して、武はあっけらかんとした態度を取り、
「はっ? ちょちょ、何してっ――」
またベッドに押し倒して覆い被さってきた。
こ、この体制って――
「だ、ダメーッ! ストップ、ストップ!」
私は、武がまた行為に及ぼうとしていると察知すると、必死に押し退けようとした。
「んだよぉー……」
「残念がってないで早く着替えて! 武ママが帰ってきちゃうの! それに……さっき、し、シたばかりでしょ!?」
「……あのなー実果留。俺が今までお前の前で、どんだけ理性を保ってきたと思ってんだよ。そんな俺にたった一回で満足しろとでも?
正直……こんなんじゃ足りねぇんだっつーのっ」
武はヘッドボードの引き出しから、あと四回分となったアレを取り出した。
こんなんじゃって……えぇっ!?
あの行為を……武はあと四回しても、まだ足りないってことぉ!?