たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
――二年後。
朝の通学前は慌ただしい。
その原因はもちろん――私の幼なじみ……でもあり、私の彼氏でもある、コイツ。
「武っ、起きな! 遅刻するよっ!」
遠慮なく部屋に入り、ベッドから起き上がらない武を揺すった。が、
「んだよ、うっせぇなぁー。まだテレビ見てんだからさぁー、邪魔すんなよぉ……」
フニャフニャとしながら意味不明なことをフニャフニャと言い、更に布団を被るという。
「っ、たくもーうっ!」
全っ然成長してないしっ!
「もう『大学二年生』でしょ!? いい加減、ちゃんと起きれるようになってよぉーっ!」
武から布団をはぎ取った。
それでも武は、仰向けで大の字になって寝たまま。
し、しぶとい……。もう、半分諦めてますけど……。