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たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第3章 杉並実果留 



「……実果留……」

「え? や……何?」


 武は、私の顔を撫でるように触れ、顔を近づけてきた。



「…………んっ」



 なっ……に?



 武が、私に……唇を重ねた?


 これって今、武と……キスしてる?




「……っ、たっ……武っ、やだっ、やめてっ」


 突然のことに困惑して、顔を離して反らすも、また上に向けられて重ねられる。

 何度も……何度もっ……。

 ど……どうして? 武は私のこと、何とも思ってないはずじゃ……なのに、何でこんなことをするの?


 けど、私も私で強く拒めない。

 武が、好きだから……。


 次第にキスは深くなって、大人がするようなキスに変わっていった。

 武の舌が、私の舌に絡み付いて離してくれない。


「んっ……んんっ……」


 身体中の血がドクドクしてくる。

 意識もクラクラする。


 たっ……武っ……武っ……。



「ーーーーっ、ダッ、ダメッ」



 私は、溶けそうになった気持ちを振り払い、何とか顔を横に反らした。

 そしたらやっと、武が止まった。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


 肩で息をしながらも、反らした顔を上にゆっくりと向けた。



「…………たけ……る?」


 顔を合わせて目を見ると、武は寝ぼけ眼(まなこ)に涙を浮かべていた。

 やがてそれが、私の頬にポタリと落ちた。


 武が……泣いてる……。


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