たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第3章 杉並実果留
「……き、だ……」
「え? 何て……」
「……す……きだ……」
「…………え?」
「実果留が…………好きなんだ……」
「…………っ」
今……『マシュマロ』じゃ……なかったよね?
今……『実果留』って……言ったよね?
「実果留のことが……好き、なんだ……」
「た……武……」
もしかして……私まで夢の中なのかな?
密かに『言ってくれるといいな』と思っていたことが今、武の口から聞けた。
武。それ……寝ぼけてるだけ? 夢の中限定?
それでも、私を好きだと言ってくれたことも、キスをしてきたことも、私にとっては現実で……
私の気持ちを揺さぶるのには、十分過ぎるぐらいだった。
「私も……す、き……」
「……え……」
「私も……武が好き。好きなのっ」
「……実果留……」
止められない想いを武に伝えた。
寝ぼけた武に伝わったのかわからないけど――
「武っ……」
私は武を引き寄せて、自分から唇を重ね合った。
武も答えるように、深く重ねてくる。
もう、顔を反らすことはしない。
武の首に抱きついて、離れないようにした。
離れたくなかった。
「っ……あっ……武っ……」
キスからどんどんエスカレートして、武が私の首の裏から鎖骨にかけて唇を当ててくる。
そして――
「っ、やっ……ん……」
武の右手が、私の胸を触りだした。
それは、前に肉まんと間違えた時の雑な触り方じゃなくて、優しく愛撫する触り方だった。
「あっ……はぁっ……」
制服の上からでも、私の身体は過敏に反応している。
今まで出したことがない甘い声まで、口から自然と漏れちゃう。
「た……たけるっ……あぁ……っ」
「みかる……かわい……」
その一言に、ドクンッ……と胸が叩かれたように強く打つ。
もうっ、ダメッ……こんなの、絶対拒めないよっ……。
武がいつ目を覚ましてしまうかなんて、考える余地も与えてくれない。
それどころか、私に『もっと……』って思わせるし。
ズルいよ、武……寝ぼけてるからって、ここまでするなんてっ……。
でも、私も私で、寝ぼける武をいいことに、こんなことをされ続けてる……。
ホントに……なんて女、だろ。