たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第4章 佐倉武
しっかし、リアルな夢だったよな。実果留の体温や髪の匂いまですごく感じ取れて、
実際に実果留に触れてるみたいだった。
「っ、やっば! てことはまさかっ――」
俺は掛け布団を思いっきり捲(まく)って、男特有の生理現象が起きてないか、自身の下半身をよーく確認した。
汗で湿っていても、そこまで濡れてはいなかった。どうやら俺から、あの白い液体は出ていなかったようだ。
「せ、セーフ……あっぶねぇー……」
そういや、夢の中でもイク寸前だったよな? そこで目が覚めたからセーフだったのか。
本当に、実果留が来れなくて良かった。こんな俺のところに来てたら、夢を正夢にするところだったぞ。
はぁ……下に行って、水でも貰ってくるか。
ベッドからゆっくりと降りようと、枕に偶然触れた時だった。
手に何か、まとわり付く物を感じた。