たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第5章 杉並実果留・最終話
「佐倉君は彼氏ではないとはいえ、杉並さんが佐倉君を好きなのは確かなハズなのに、何で自分とつき合おうとするんだろうと……。
けど、その疑問はすぐに解けましたけどね」
「……え?」
また私の方を向いて、意味深にニコッと微笑んだ。
「たぶん、佐倉君の気を引きたかった……ですよね?」
「っ、あっ…………」
夕崎君……そこまで気づいてたのっ?
「家まで送って佐倉君に遭遇した時、杉並さんが佐倉君の顔色ばかり伺っていたので『あぁ、そういうことか』と、わかってしまったのです」
「あっ……うっ……」
何も言えなかった。
夕崎君……全部知ってた。私が、夕崎君を利用したことも……全部っ……。
夕崎君……今までどんな想いでいたんだろう……。
心中を察すればするほど、バチが当たったみたいに胸がズシッと重くなる。
わかってはいたけど……わかっていた以上に思い知った。私のしたことは、それほど罪が重いものなんだ……と。