sweet poison【BL】
第2章 失った恋人との再会
陽一の声で、男性がゆっくり振り返る。
徐々に見えてくるその姿を正面から見た陽一は、その行動がスローモーションのように見えた。
振り返った人物は、柔らかな茶色の髪に穏やかな琥珀色の眼を持ち、弱々しく微笑んだ。
「―久し振りだね。陽一」
「はっづきっ…!」
手荷物を床に落とし、フラフラと後退し、壁に背がぶつかった。
「そんなっ、まさかっ!」
目の前にいる男性は、かつての幼馴染・智弥(ともや)羽月だった。
最後に見たのが高校三年の時で、あれから五年成長した姿が目の前にあった。
しかし陽一は感動するどころか、酷く動揺していた。
その顔色は見る見る青白くなり、歯がガチガチと鳴り、体が震えだす。
「ウソだ…。お前、死んだはずじゃあ…」
「死んだ? …そう、陽一もそう言われたんだ」
羽月は悲しそうに眼を伏せた。
「ボクもそう言われたよ。陽一は死んだって」
「なっ…!」
「きっと父の計らいだね。全く余計なことを」
忌々しげに言い捨てると、今度は陽一に笑みを浮かべて見せる。
「会いたかった、陽一。ボクは死んだなんて信じられなかったから、ずっと探してたんだ」
そう言って羽月は近付いてくる。
陽一は震えながらも何とか逃げようとしたが、うまく体が動かない。
「やっやめっ…」
動きを制止させようと、発する言葉も言葉にならない。
全ては恐怖から―五年前に味わった苦しみが、今の陽一を支配してしまっている。
「…そんな怯えた顔しないで」
羽月は苦笑し、膝を折り、陽一と視線を合わせて頬を撫でた。
徐々に見えてくるその姿を正面から見た陽一は、その行動がスローモーションのように見えた。
振り返った人物は、柔らかな茶色の髪に穏やかな琥珀色の眼を持ち、弱々しく微笑んだ。
「―久し振りだね。陽一」
「はっづきっ…!」
手荷物を床に落とし、フラフラと後退し、壁に背がぶつかった。
「そんなっ、まさかっ!」
目の前にいる男性は、かつての幼馴染・智弥(ともや)羽月だった。
最後に見たのが高校三年の時で、あれから五年成長した姿が目の前にあった。
しかし陽一は感動するどころか、酷く動揺していた。
その顔色は見る見る青白くなり、歯がガチガチと鳴り、体が震えだす。
「ウソだ…。お前、死んだはずじゃあ…」
「死んだ? …そう、陽一もそう言われたんだ」
羽月は悲しそうに眼を伏せた。
「ボクもそう言われたよ。陽一は死んだって」
「なっ…!」
「きっと父の計らいだね。全く余計なことを」
忌々しげに言い捨てると、今度は陽一に笑みを浮かべて見せる。
「会いたかった、陽一。ボクは死んだなんて信じられなかったから、ずっと探してたんだ」
そう言って羽月は近付いてくる。
陽一は震えながらも何とか逃げようとしたが、うまく体が動かない。
「やっやめっ…」
動きを制止させようと、発する言葉も言葉にならない。
全ては恐怖から―五年前に味わった苦しみが、今の陽一を支配してしまっている。
「…そんな怯えた顔しないで」
羽月は苦笑し、膝を折り、陽一と視線を合わせて頬を撫でた。