異常性愛【BL】
第1章 1
となれば――私は同僚と飲み、酔い潰れた帰りに誰かに攫われた。
そう考えるのが自然なのではないか? と思う。同僚に疑いを向ける気にはならない。
同僚が男だから。というのもあるが、何より仲が良かったので疑いたくなかった――。いや。
――信じたくなかったのだろう。
此の状況で一番犯人である確率が高いのは誰か。そんなものはわかり切っていると言うのにだ。
「起きましたか? 松本先生」
聞き慣れた声と共に部屋の明かりが点く。私も幾度か見たことがある同僚の部屋が瞳に映し出され、私の無様な姿も、同僚に晒されたことだろう。
一体何の真似だ。そう叫びたい。激昴に身を任せ噛み付くように。
だが其れは叶わない。
取り敢えず私は只只同僚を睨み付ける事にした。その様を見て、彼は笑みを浮かべる。
「――ああ、すみません。それでは喋れませんものね。ですが、迚良い格好です。暫くそうしていたい程に......」
――此奴は頭が可笑しくなったのか。
そう考えるのが自然なのではないか? と思う。同僚に疑いを向ける気にはならない。
同僚が男だから。というのもあるが、何より仲が良かったので疑いたくなかった――。いや。
――信じたくなかったのだろう。
此の状況で一番犯人である確率が高いのは誰か。そんなものはわかり切っていると言うのにだ。
「起きましたか? 松本先生」
聞き慣れた声と共に部屋の明かりが点く。私も幾度か見たことがある同僚の部屋が瞳に映し出され、私の無様な姿も、同僚に晒されたことだろう。
一体何の真似だ。そう叫びたい。激昴に身を任せ噛み付くように。
だが其れは叶わない。
取り敢えず私は只只同僚を睨み付ける事にした。その様を見て、彼は笑みを浮かべる。
「――ああ、すみません。それでは喋れませんものね。ですが、迚良い格好です。暫くそうしていたい程に......」
――此奴は頭が可笑しくなったのか。