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異常性愛【BL】

第1章 1

 今一度、私は頭の中を整理しつつ彼を見る。

 ――同僚教師 榊原 真一。

 同じ高校で理数科を担当している、ミステリアスで格好良い等と女子から持て囃されている教師だ。

 長身、眼鏡、やや長い髪の毛に白衣。猫背。マイナス要素が多いと言わざる負えない外見だが、其れでも盛りのついた女子高生共からすれば顔さえ良ければ全てチャラであるらしい。

其れに、性格も棘がある訳でなく、優しく、授業も分かりやすい。何処かの生徒が王子様のようだ。と持て囃す程にだ。

 虫籠に昆虫を入れて、共食いさせるのが趣味な王子が何処に居るのかと聴きたくはあるが。まぁ、そうした行動も理科教師ならではの研究
心と思われているようだ。私から見れば気の違った行動にしか見えなかったが――。

 ――思えば私は、そうした一面を見て、仲良くしたいと思ったのだろう。

此奴なら私を解ってくれのではないか? 何処か通ずる部分があると、人と人は強く惹かれ合うのだから。男同士だし、之は友情というものに変換されるだろう。

 ――そう、思っていたのだが。

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