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異常性愛【BL】

第1章 1

 今の榊原を見るに、別方向に変換されたのだろうか。先程から私を見る目に恍惚が混じっているように感じる。

 気色悪いので其の顔は辞めて欲しいし、スマホで今の私を写真に撮るのも辞めて欲しいのだが多分辞める気はないのだろう。

 何回私に向け、カメラを切る音が鳴ったのか。呆れていると、榊原は此方に近付き漸くギャグボールを外してくれた。

「ふふ......ベタベタじゃないですか。まぁ、結構長い時間放置しましたからね」

 随所が淫欲に塗れた声を彼は発し、私の唾液に塗れたボール部分を指先で扱う。

 行動ひとつひとつが、異常性に溢れていて気色悪い――。

「――榊原」

「はい?」

 改めて名を呼ぶ。返事をされ、嗚呼、矢張り此奴は私の知る榊原なんだな。と実感した。

「......何故こんな事をした」

「見て分かりませんか? 其れとも松本先生はそんなに人の気持ちを読み取る事が苦手なのでしょうか? 矢張り、人が自分の思い通りとは別の行動をすれば戸惑うのですか? なんだか面白いですね」

「――莫迦にしているのか?」

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