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異常性愛【BL】

第1章 1

 思わず私は、暗く人を恫喝するような静かな声をあげた。

 彼の言葉は私にとって、殺意が湧き上がる様な言葉だったから。

「冗談ですよ。厭だなぁ、そんなに殺気立って」

 先程まで私の口に嵌っていたボール部分に彼は口付けをしつつ私の周りを歩き回る。

 直に接吻をされるより、そうした光景を見せた方が気持ちが悪いと分かっているのだろうか?

「――松本先生、私は貴方に屹度適わないと思っていました。
 力的にも、頭脳的にも何においても――其れは屹度、貴方も同じ感想でしょう?」

「............」

 素直に頷く。取り繕う事など今はしない。

「ですから、お酒の力を借りたとはいえ、私という存在が貴方のシナリオを崩した事。其れが嬉しくて仕方ないのです。

 貴方は私の事を友人としてしか見ていなかったでしょうが、私は見ての通りの趣味嗜好です。気付かなかったでしょう?」

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