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ヌードモデルと感謝の形

第2章 脱衣します

掛け布団の下で、私は素早くショーツを脱ぎ、ベッドから出た。

(大丈夫。ほとんど酔いは醒めてる)

──見てください。

床に立って、美術モデルとしてのポーズを決める──高く上げた両手で空を支えるような。

彼の方にはあえてお尻を向けた。

これが美術モデル。ヌードモデルとほぼ同義語。

ほら、パンツ穿いてないでしょ。不特定多数の同性・異性に全てさらけ出すんだよ。

いやらしく考えると、私の裸体は有料なのだから、こうして見せているだけで「お礼」をしていることになるのかな。

──信じられない。

菊池さんから、聞きたかった言葉が聞けた。

──ほんとうに何も身につけないんですよ。

振り向いて前も見せる。
──どうしたいですか?

予想どおり、リクエストはなかった。

恋人の完全ヌードを明るいところで見たことがない男性は意外と多いらしい。

セックスで消耗させ、ぐったりさせてから、部屋を明るくするとか、
彼女より先に起きて、夜明けの光でそっと鑑賞するとか、
テクニックが必要となる。

とにかく、恋人にも裸を見せない女性は案外多いらしい。

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