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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第5章 私だって美味しいものは作りたいんです!

「あらぁ、ダメだったの?
リンゴサラダ、あたしは食べてみたいんだけどなぁ」



ナイスアイデアだと思ってたのに、久保店長にあっさり却下を食らった私に小山さんがフォローを入れてくれた。



「人気商品には、勝手にアレンジ加えちゃダメみたいです。
まぁそうですよね。おかずに果物入れるの嫌う人っていますし」



酢豚にパイナップルとか私は嫌いじゃないんだけど、でもそういうのってあくまでも女性向けのような気もするなぁ。




「……………………」



だとしたら、アイツもリンゴサラダとか嫌いだったりするかなぁ。




……………………!

そうだっ。







その後

私はマニュアル通りのサラダを完成させると、グラムを量って陳列用のプラスチックパックに入れた。


それをボウルに作った分みんなパックに分けると、最後の1つにだけ小さく切って塩水に浸けたリンゴを混ぜておいた。


それを誰にも見つからないようにレジ袋に入れて、厨房の冷蔵庫の端っこにしまっておく。



この惣菜をレジ袋に包んで冷蔵庫に入れとくのは、よくスタッフが自分用に買ったものをキープする時に使う手段。


だからこういう状態で冷蔵庫に置いていても、誰も違和感は感じないのだ。



…大丈夫。

後から私が買って帰ればいいんだから。

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