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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第9章 1人の夜の帰り道には、キケンは付き物です!

「っ」



目が合うや否や、案の定私に何か言おうとおっさんの口が動いたのと同時に、もう私は目を反らして思い切り早歩きで通り過ぎた。


ヤバい!
ヤバい!ヤバい!ヤバい!


早く行かなきゃ!
絶対に声をかけられるー!!



顔を伏せながら私は、全速力で早歩きを…ううん、もう駆け出していた。



早く家に帰ってしまおう。
帰ってしまえば…

や、待てよ?
それで私の家まで後をつけられたら、家がバレちゃうじゃん!


わわわっ
どうしよう!



だけど足を止めるわけにもいかない私は、そのまま顔を伏せてまっすぐに突き進んだ。


とにかく、今は早くこの場を離れなきゃ───っ













「ぅわっと!」

「ひゃあっ!」



暗い夜道を顔を伏せながら駆けっている私は当然前なんか見てもなく。


そんな不注意から、私はドンっと思い切り誰かとぶつかってしまった。




「す すみませんっ
よく見てなくって…っ」



結構な勢いだったけど突き飛ばしてしまったわけではなく、どちらかと言うと相手の懐に私が飛び込んでしまった感じだった。


がっしりした体型だったから女の人ではないな。


私はすぐに懐から離れて、相手の顔を見上げながら謝った。

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