ホントノ私ハ、此処ニイル
第2章 第2話
ですから、営業先のスーパーの作業場でその姿を見た時は、衝撃と感動と快感で鳥肌がたってしまいました。
自分の求めていたものはこれだったのかも……
そんな満たされたような情動でした。
仕事先、しかもスーパーでそんな気持ちになるなど奇妙窮まりないことなのですが、そのアンビバレンスがたまらなく心地好いのかもしれません。
ギャップが人を惹きつける、というのはよく聞きますから。
その鳥肌が立つほどの感覚が得られるのは主に精肉部門と鮮魚部門。
わたしにとっては、どちらもそれぞれに捨て難い魅力に溢れているのです。