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ホントノ私ハ、此処ニイル

第3章 第3話


 こうなると、もう僕は、自分でも不思議なくらいに、次から次と衝動のままに体が動いていくらしい。


 目隠しをした妻を壁際に立たせ、洗い立ての柔軟剤の香りの残るパジャマをゆっくり時間をかけて脱がしていく。

 ちょっと怖いのか、薄く唇を噛んだ妻の手には力が入り、ぎゅっと握られていて、腕にも背中にも鳥肌を立てているんだ。

「大丈夫、怖くしないよ」

 そう耳元で囁くと、妻の結ばれていた唇に隙間ができ、はぁ…と小さな息が漏れた。

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