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天気師の少年

第3章 気象系アイドルユニット誕生

・トイレを利用する時は小でも座ってすること

・布団は別々の部屋に敷きます。夜這いは絶対禁止

・いかがわしい本やDVDの持ち込み禁止。エロ系は週刊誌もダメ。スマホのエロサイトも禁止

・このアパート内でのオナニーも禁止

・デリヘルを呼んだり女を連れ込むのはもってのほか

「巫女さんなんだから禁欲的に清らかに生きていこうね💕」と雨藍は微笑んだ。

禁欲的に清らかに生きていきたいとは風海もずっと思っていた。だけど、男にはそうはできないやんごとない事情がある。

「あ、あの~、その~・・男には溜まるもんがあるんで、適度に出さないと夢精とかして爆発しちゃうよ」

と風海はか細い声で切実な男の事情を訴えた。夢精とかで爆発する前に溜まり過ぎるとケダモノになって雨藍を襲ったりもしかねないという危険もあるのだが、さすがにそれは言えなかった。

「へ~、男子ってそうなの?女子はそんなもんずっとしなくても平気だけどね」と雨藍はちょっと呆れたように言った。

「へ~、女子ってそうなの?じゃあ、オナニーしないの?」と今度は風海が訊く番だった。

「するわけないでしょ。そんなもん」と雨藍には涼しい顔でバッサリと言われてしまった。

「う~ん、困ったわね。夢精なんかされて布団や部屋を汚されるのも困るし、外でしてこいってワケにもいかないし・・」

雨藍は腕組みをして思案して規約がひとつ改正になった。

・迷惑をかけないように性欲は適度に解消すること。ただし、やるのはお風呂に限る。出たモノも自分の体もキレイに洗って一切の痕跡を遺さないこと。

何とかオナニーはできるようになって風海はホッとした。

こうして風海と雨藍の共同生活は始まり、ふたりはフーミンとレインの名前で活動を開始した。ユニット名もあった方がいいということで、お天気お姉さんずというのをユニット名にした。

SNSやフライヤーでお祈りすると希望のお天気が叶うかもという、お天気チェキを売りにしたら、本当に希望のお天気が叶ったという口コミが拡散されて大人気になった。

低気圧や梅雨前線が迫ってきて絶望的な大雨を天気に変えたこともあるし、迫ってきている台風の進路を変えたこともある。

しかも天気を操るのが超絶美人な巫女さんだからもう人気は大爆発である。

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