天気師の少年
第4章 天気師の宿命
このところ風海は急に息が苦しくなって このまま息が止まってしまうんじゃないかと思うぐらいに苦しくなったり、まるで霊体にでもなったかのように体が妙に軽くなることがあった。このまま消えてしまうんじゃないかという恐怖に見舞われる。
雨藍にはそれが気づかれてないのが幸いだった。余計な心配はかけたくないから、消えるんならいつの間にか消え去ってしまいたいと思う。
でも、消えてしまうのならその前にちゃんと想いを伝えておきたいと思う反面で恋人になれたとして消えてしまったら雨藍を悲しませることになると思うと想いを伝えるのはためらわれる。
そんな時に老夫婦がお天気お姉さんずに仕事の依頼をしてきた。どことなく陰気な感じのするこの夫婦はそよ風を吹かせて欲しいとフーミンに祈りを捧げた。
「そよ風ですか・・?」
普通は晴れとか雨とかを祈ってくる人が多い中でそよ風というのは珍しかった。
「そよ風に吹かれているとあの子が風に乗って帰ってくるみたいに感じるから・・」
老夫婦は昔に子供を亡くしているとのこと。どことなく陰気な感じがするのはそのせいだった。
「あの娘がそのまま帰ってきてくれたみたいよ」
妻の方が涙を流してフーミンを抱きしめた。亡くなったのは娘さんのようだ。
こんな老人なら抱きしめられても変な興奮をすることはないが、オナニーもしていないのにスゴい罪悪感に襲われた。
「あ、あの・・ボクは本当は男なんです。巫女さんの方がいいからやれってこの人に言われて」
と風海は申し訳なさそうにして雨藍を指差す。
「ち、ちょっと、自分だって乗り気だったくせに人のせいばかりしないでよ」と雨藍は少し怒ったように言った。
そんなふたりの様子を見て妻はくすくすと笑い出した。
「仲がいいのね」と言われてふたりは顔を見合わせて赤くなる。
「こんなお婆さんに突然抱きつかれたりして災難だったわね。ごめんなさい。でも、あなたが本当は男のコでも、あの娘が生き返ってくれたみたいで嬉しかったわ」と妻は涙ぐむ。
「君が天気を操れるんだね。体の具合は悪くないのかね」と夫が心配そうに言った。
このところ息が止まりそうに苦しかったり、消えてしまうんじゃないかと思うぐらいに体が軽くなったりするのを思い出して風海は動揺した。
「どういうこと?体の具合が悪いの?」
と雨藍が心配そうに声を荒げる。
雨藍にはそれが気づかれてないのが幸いだった。余計な心配はかけたくないから、消えるんならいつの間にか消え去ってしまいたいと思う。
でも、消えてしまうのならその前にちゃんと想いを伝えておきたいと思う反面で恋人になれたとして消えてしまったら雨藍を悲しませることになると思うと想いを伝えるのはためらわれる。
そんな時に老夫婦がお天気お姉さんずに仕事の依頼をしてきた。どことなく陰気な感じのするこの夫婦はそよ風を吹かせて欲しいとフーミンに祈りを捧げた。
「そよ風ですか・・?」
普通は晴れとか雨とかを祈ってくる人が多い中でそよ風というのは珍しかった。
「そよ風に吹かれているとあの子が風に乗って帰ってくるみたいに感じるから・・」
老夫婦は昔に子供を亡くしているとのこと。どことなく陰気な感じがするのはそのせいだった。
「あの娘がそのまま帰ってきてくれたみたいよ」
妻の方が涙を流してフーミンを抱きしめた。亡くなったのは娘さんのようだ。
こんな老人なら抱きしめられても変な興奮をすることはないが、オナニーもしていないのにスゴい罪悪感に襲われた。
「あ、あの・・ボクは本当は男なんです。巫女さんの方がいいからやれってこの人に言われて」
と風海は申し訳なさそうにして雨藍を指差す。
「ち、ちょっと、自分だって乗り気だったくせに人のせいばかりしないでよ」と雨藍は少し怒ったように言った。
そんなふたりの様子を見て妻はくすくすと笑い出した。
「仲がいいのね」と言われてふたりは顔を見合わせて赤くなる。
「こんなお婆さんに突然抱きつかれたりして災難だったわね。ごめんなさい。でも、あなたが本当は男のコでも、あの娘が生き返ってくれたみたいで嬉しかったわ」と妻は涙ぐむ。
「君が天気を操れるんだね。体の具合は悪くないのかね」と夫が心配そうに言った。
このところ息が止まりそうに苦しかったり、消えてしまうんじゃないかと思うぐらいに体が軽くなったりするのを思い出して風海は動揺した。
「どういうこと?体の具合が悪いの?」
と雨藍が心配そうに声を荒げる。