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ヌードモデルとアンドロメダ伝説

第2章 アンドロメダを裸にする

全裸になった私がアトリエに戻ってきたときには鎖の準備もできていて、
すぐに私は手首を縛られ、スレスレでつまさきがつく高さまで引き上げられた。

妙に手際がいいと思ったら、自分の娘で2回ぐらい練習したよ、と言われて納得した。
(中2だそうで、もちろん裸にはしてないとのこと。それでも、日曜画家の娘に生まれると大変だよね)

縛られた手首が痛くなる寸前の高さのつまさき立ち。伸びきった裸体。拷問シーンみたいだった。
服を着ていたとしても中学生の女の子が……可哀想すぎる。

ヌードのラフ(下絵)は30分ほどで完成した。(早い)

これで休憩を兼ねてコスチューム合わせだろうと思ったら、
「まだ迷っているもう一つのアイデア」を試させてほしいと川村さんが言った。

つまり、アンドロメダの後ろ姿をヌードで描くこと。
バックのヌードも作例があることはあるが、珍しい。
アンドロメダの美少女ぶりがわからないし、お尻から食われることになるのも不自然だから、多くの画家が避けたのだろう。

「正直言うと、詩織さんのお尻をよく見たくてね」
屈託なく言う川村さん。

いいわよ。
私は体を回した。

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