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ヌードモデルとアンドロメダ伝説

第4章 アンドロメダの裸を語る

「今はそんな時代じゃない。裸にしていい詩織さんをあえて裸にしない。そこに僕の主張があります。神話に忠実に描きたかったという主張が」

……まあいいけど、いきなり自分の名前が出てくると、びっくりするわね。

「でも」
私も言わせてもらおう。

「アンドロメダの絵なら、みんなヌードが当たり前だと思ってますよね。そこでヌードじゃないなら困惑しますよね。さらに、モデルを裸にしなかった理由を邪推しませんか?」

「……考えもなかったな」
不意をつかれたように、川村さんはつぶやいた。

「私の裸、魅力ないですか? お尻も乳首も描いてもらえなかったみたいですし」

「そんなことはない」

「じゃあ、次はちゃんと裸で描いてくださいね」

意地悪はこれくらいにしておこう。これでクローズしようと思っていたら、

「『裸で抱いてください』って聞こえた」
川村さんが、またつぶやいた。
「あら」
しまった。
……でも。

「とにかく、もう一度、裸を見てください」

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