
君と僕の世界(嵐)
第3章 ♡ 雨の日の喧嘩
いやだいたい別に別れたわけじゃないんだから
ホテルに誘ってたらそれはもう問題外だろ!死刑だろ!
翔ちゃんがそんな中途半端なことをするような男じゃないのはわかってる!…わかってるけど…!
和也「…うぅ…」
やっぱり…不安だし、
何より寂しい。
翔ちゃんはこの一週間、
何を考えて生活しているんだろう。
寂しそうな素振りも見せないし、
あの日以降の収録では平然としている。
謝ろうとする気配もないし
俺を気に止める様子もない。
というかだいたい、悪いのはほんとに翔ちゃんなのか。
俺が嫉妬に狂って翔ちゃんを傷つけただけではないだろうか。
悪いのは全部…俺なのかもしれない…。
和也「あ゛あ゛…。やっぱりそうなのかな…。」
この天気とこのジメジメした空気は
俺をどんどんネガティブにさせていく。
和也「このまま俺たちは…どうなるんだろう」
翔ちゃんはあんな感じで…俺が謝る隙も与えないし…この調子なら自然消滅も有り得る。
いや…
もう既に消滅してるのかもしれない…!
和也「そっ!そんなのいやだあああっ!」
俺達が今まで少しずつ積み重ねてきたすれ違いや苦しみから生まれたこの愛の結晶は
そんなに簡単に崩れてしまうのかーー?!
和也「…。」
でも恋愛なんて所詮そんなものだ。
ちょっとのすれ違いで大きな歪みができる。
そうなればそれを崩すことなど意図も容易い。
和也「…はぁ…」
一人で考えたところで答えは出ない。
今一番大切なことは翔ちゃんと話し合うこと…だけど、そう簡単にはいかないのだ。
和也「…寝よう」
考えるのはもう疲れた、答え合わせはまた今度にしよう。
俺はそう思ってソファの上でそのまま深く目を閉じた…
その時
和也「…チッ…誰だよ」
聞きなれた音楽が俺の睡眠を邪魔するように部屋に響き渡る。…インターホンだ。
こんな時間に来るのは大抵宅配便だ。
今日もゲームが届いたらしい。
元は出かける予定だったからこの日は避けたはずなのに、最近の宅配会社は適当だ。
苛立った俺はろくに画面を確認せず、玄関のドアを開けた。
和也「はぁ〜い!」
多分、すごい顔をしていたと思う。
寝癖も、髭も、表情も。
…だけど仕方ないじゃん。
まさか…アンタが来るとは思わなかったんだから。
和也「しょちゃ、しょちゃ、あ、あ、」
翔「おはよー」
