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君と僕の世界(嵐)

第3章 ♡ 雨の日の喧嘩


翔「…わかってると思うけど、この間の話」

和也「……うん」

翔ちゃんは少し気まずそうに時折言葉を詰まらせながらも淡々と話を始めた。

翔「…まあ、なんていうか…。あの話には続きがあって…。」

和也「…うん」

翔「…あの子…いや、あの女の人、スタッフなんだけどさ、…本当はキャスター志望の人だったみたいで…その手の話に詳しくて。」

和也「…うん」

翔「それで俺にアドバイスくれたり…色々話していくうちに"キャスターとして"仲良くなったつもり…だったんだ。」

和也「…。」

翔「まずそれが、話が合うって言った理由。」

和也「じゃあ、今度一緒に…って誘ってたのは…どういうつもり…?」

あの女の人と仲良くなった理由はわかった。
俺も考えすぎな部分があったと反省する。
…だけど…
あの発言はそんな理由で許せるほど軽い言葉じゃなかったはずだ。

翔「それは…」

翔「…信じて貰えないかもだけど、プライベートで会おうって意味じゃなかったんだ」

和也「…。」

翔「実は…あの人…かずのファンで…。」

和也「…は?」

和也「なんでここで…俺?」

翔「いや、普通に、初めて会った時からそうだった。…それで今度、しやがれの撮影に参加する予定があるからって言われて…ならその時ゆっくり3人で…って意味で…言ったんだけど…。」

翔「まさか…かずに聞かれてるとは思わなくて。…誤解を招くような言い方しちゃったよね」

和也「…。」

確かに思い返してみれば、廊下で翔ちゃんと目が合った時、僅かに視界の端にいたあの女性は俺を見るなり興奮した様子で必死に手を振っていたような気がする。…だから翔ちゃんは気を使って俺を別の部屋へ招いたのか。

翔「あとは…素の表情…ってやつ…。あれは…俺もよくわかんなくて…。ただ楽しいから笑うし、それが誰かとか…そういうの…全然気にしてなくて…」

和也「………うん」

翔「でもかずにはわかるんだよね。…そういうのがきっとあるんだよね…。それを、他の人に見せてたら…嫌な気持ちになるのは当然だよ。」

翔「だけどね、かず。俺は他の人と会話してて、特別な感情を覚えたことは一度もないよ。…俺にとっては、かずと話すこの瞬間が…いちばん特別だよ。」

和也「…うん…っ」

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