テキストサイズ

Melting Sweet

第6章 Act.6☆

 杉本君は切なげに顔を歪めながら、私の中に挿れていた指を再び動かした。
 私から予想外の攻めを受けて気遣うだけの余裕がなくなったのか、激しく水音を立てながらピストンを繰り返す。

「あぁっ……杉本……く……激し……っ……」

「あなたが……煽ってるんでしょ……」

 杉本君が挿れる指の本数を増やす。
 秘所が解れてきているのが、私自身も何となく分かった。

「やっ……あぁっ……イッちゃ……」

 甘い電流が全身を駆け巡り、私は絶頂に達した。
 杉本君の指が引き抜かれると、何とも言えない虚脱感を覚える。

 杉本君は私にキスを落とした。
 そして、ヘッドボードに手を伸ばすと、そこから避妊具をひとつ手に取り、包装を破る。

「着けよっか?」

 何となく口にした私のことを、杉本君がギョッとして凝視する。

「あの……、着けるって、唐沢さんが、ですか……?」

「他に誰がいるのよ?」

「いや……、唐沢さんしかいないですけど……。――でも、ほんとにいいんですか……?」

 この訊き方だと、着けてもらうのはまんざらでもなさそうだ。

 私は半身を起こし、杉本君から剥き出しの避妊具をそっと取り上げた。

 男性器にコンドームを被せるのは、二十代の頃に付き合っていた男によくやらされていた。
 私もあの頃は本当に馬鹿だったから、男に奉仕して喜んでもらえるならば、尻尾を振ってどんなことでもしていた。

 そして、結局は今も同じことをしている。
 違うのは、杉本君から要求があったわけではなく、自主的に着けると言ったところぐらいだ。
 むしろ、傍から見たら、今の私の方がよっぽど軽い女じゃないだろうか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ