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Melting Sweet

第6章 Act.6☆

 ――けど、もう引っ込みも付かないし……

 私は居住まいを正して、空気が入らないように先端を人差し指で押さえながら根元まで引き伸ばしてゆく。
 久しぶりにしては、上手く被せられたと思う。

「変な感じですね」

 杉本君は、改めて根元まで入っていることを確認しながら微苦笑を浮かべる。

「まさか、唐沢さんにゴムを着けてもらえるなんて思ってもみませんでした。こうしてラブホに一緒にいること自体も不思議ですけど」

「嫌いになった?」

「どうしてですか?」

「だって、頼まれたならともかく、自主的に『着けたげる』なんて言う女は軽そうじゃない?」

「そうですね」

 あっさり肯定され、私は、やっぱりか、と内心項垂れた。

「あ、でも」

 杉本君はニッコリしながら、指先で私の頬に触れる。

「唐沢さんだったら許せます。嫌いになんてもちろんなりませんよ。俺は生半可な気持ちであなたを好きになったわけじゃないんですから」

「――褒め言葉と取っていいの、それ?」

「もちろん」

 杉本君は大きく頷き、私を横たわらせる。

「融けてしまうほど、一緒に愛し合いましょう?」

 まともに聴いたら、とても臭くて小っ恥ずかしい台詞だ。
 けれど、今の状況に酔いしれている私は、杉本君の言葉を素直に受け止めていた。

 杉本君は陰部を私の秘所に宛てがう。
 指とは比べものにならないそれは、花芯をこじ開けるように侵入してくる。

「んっ……」

 私は小さく呻いた。
 受け入れる準備は整えていたつもりでも、身体はまだ拒絶しているのか。

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