無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

人間は不思議なもので、強すぎる衝撃を受けると「眠気」が起きるようだ。

私はベッドで心と髪をかきむしりながら、少し眠ってしまったようだった。


（何時？）

独り言のようにそうつぶやき、スマホの電源を入れると、あれから1時間半ほど経過していることが分かった。

眠ったせいか、高ぶった感情は消え失せ、姉とリョウのことも、なんだか遠い過去の話のように感じる。

「ガチャッ！！」

部屋のドアを開ける音がし、私はネコのようにベッドから飛び起きる…？

そこに立っていたのはリョウだった。


「あ、あの～、真由子さんに言われて来たんですけど…いいですか？」

と、申し訳なさそうな表情でリョウは言い、突っ立っている。

「姉ちゃんに？？」

私はまったく想像していなかった展開について行けず、リョウと目を合わせたまま対応することができない。


その奥から「入ればいいのに！さあ！」と、姉がリョウを押す。

ふらふらと部屋に侵入してきたリョウの後ろから姉が私に手招きをしたので、それに従った。

姉は私に耳を向けるようにジェスチャーし、そして呟く。