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愛は楽しく [改訂版]

第1章 愛は楽しく

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 わたしは、それから、本を借りに、勉さんの塾に何度も行きました。
 本を借りるためなのか、勉さんに会いたいのか、いつのまにか、わからなくなりました。
 紅茶も、食事になりました。
 勉さんが、作ってくれるときもありますし、お寿司やステーキを食べに連れていってくれるときもあります。
 そうしているうちに、わたしは、勉さんが、好きになりました。
 勉さんも、わたしを好きだと言ってくれました。
 勉さんは、そんなにカッコイイというわけではないんですが(勉さん、ゴメンナサイ)、なんというか、大人という感じでした。
 なにより、とっても優しかった。
 そして、わたしは、こんなに好きなんだから、勉さんと、セックスをしてもいいかなと思うようになりました。
 勉さんも、そう思いはじめてくれたようです。
 ある日、
 「菜緒ちゃんを
  愛したい」
 「もう
  愛してくれていると
  思っていたわ」
 勉さんは、なぜか慌てて、いやとか、あのとか、そのとか、しどろもどろ。
 ははーん。
 このへんは、おじさんだ。
 「わたし
  ラブホテルが
  いいな」
 と、言いますと、勉さんは、飲んでいた紅茶を噴き出してしまいました。

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