ひとつ屋根の下の愛情論
第8章 学校と無条件の愛
その日は、俺の行けなかった修学旅行の話題で皆が撮った写真などで雰囲気を味わった。
残念がる俺は、
「沖縄なんてあっという間に着くから!プライベートで遊びに行くよ」
と、ちょっと強がりを言ってみたいりした。
「沖縄かぁ――――…いつか行けるかな?」
ふと、沖縄で横沢さんを誘って行ってみたかったビーチを思い出す。
夕陽が沈む――――…最高のロケーションに…
律夏と二人で――――…
ハッ?!
ん?何で――――…今、律夏が出てきた?
浜辺を…何故俺は――――アイツと一緒に歩く妄想をしたんだ?
「ん――――どうした?福田?あ~、そう言えばお前、横沢をビーチに誘うって…言ってたよな?叶わなかったけど、夏!誘ってみたら?沖縄じゃなくても、海ぐらい受験勉強の息抜きにいいんじゃなか?」
写真を見せていた吉川(よしかわ)が小声で俺の肩を押した。