ひとつ屋根の下の愛情論
第9章 泣きたいのは俺の方
そして、“相談に乗りますよ?”の言葉を無視して――――…
“#時短調理”で検索をかける。
便利な世の中である。
すると、すぐに話題の時短レシピがヒットする。
「お、これでいいじゃん」
俺は早速、秋音の連絡をする。
金江はスルーされた好意に少し不満そうな顔をしたが、気を取り直したのか俺の隣に近よりスマホ盗み見る。
「///あ、冷やしうどん!この時期になると食べたくなりますよね!美味しい店知ってますよ、一緒に行きませんか?」
「あ~、作ってもらいたくて検索しただけなんで」
距離を縮めてきた金江から再びのアタックに…俺は意地悪な肩透かしを食らわせる。
作ってもらう“相手”を匂わせる――――…
それと、
店ではなく家飯を好む面倒くさい男だと…思ってくれたら――――助かる。
「///あっ、え――――…へぇ~」
何かは察したらしい。