ひとつ屋根の下の愛情論
第9章 泣きたいのは俺の方
担当授業を終えると俺は時計を気にしなが職場を後にした。
何かを言いたそうな金江だったが、木戸が慰めるだろうと、後は任せた。
夕暮れ――――外はやっぱり暑くて…秋音の事が心配になる。
生活は普通に戻ったと言ってもいいが、まだ、不眠症や食欲不振は慢性的にある――…
トラウマがなかった…あの頃には…二度と戻れないのだから――――…
見守るしか出来ない。
「――――はぁ…マジで暑いなぁ…」
自宅に帰る頃には…ワイシャツが汗でしっとり湿っている気がした。
帰ったら冷やしうどんが待ってると思うと、テンションが上がる。
住宅街ではチラホラと家の電気が点き始め…生活感のある香りや声がしてくる。
角を曲がると家が見えるが、我が家はまだ家の中に電気はついていなかった。
「――――疲れて寝てたりして」
居間のソファでうたた寝てしている秋音を想像したが…
穏やかにソファで寝ている秋音と重なって――――…パッと…
目隠しをされ――――股間を犯人の精液でドロドロにされている秋音の姿が映り込む!
「///――――だから…洗脳されんな!」