ひとつ屋根の下の愛情論
第9章 泣きたいのは俺の方
秋音の顔を思い出すと――――…決まって目隠しをした…秋音の姿も重なって俺の脳を駆け巡る。
最近では洗脳されている――――…と、思うようになり…
道を外さないように気を引き締めて生きている状態だ!
秋音のカウンセリングは終わったが…
入れ違いで俺のカウンセリングをお願いしようか…本気で悩み始めていた。
玄関にはちゃんと施錠がされている、俺は渡されている合鍵で家に入る。
「ただいま――――…秋音?」
人の気配がない?ん?しかし、玄関にアイツの靴が綺麗に並べられ置いてある。
予想通り――――居間でうたた寝…と、思い扉を開けるが…
ソファには姿はない。
いまだに居間でくつろぐことに抵抗が有るのは知っている…客間か?と、廊下を歩くと――――…
いつも開いている脱衣場の引き戸が閉められている…
「んだよ!シャワーか?」
と、通りすぎようとしたが――――…
シャワーの、音が聞こえない?
俺は背中に冷や汗を感じ――――恐る恐る脱衣場の引き戸越しに「ただいま、秋音?シャワーか?」と、声をかけた。
しかし、答えが返ってこない…
「秋音!?」
俺は、脱衣場の扉を開けて――――風呂場のすりガラス越しに様子を伺う!
が、風呂場の床に横たわる肌色に慌てて扉を開けた!