ひとつ屋根の下の愛情論
第2章 非道な訪問者
スーツケースをガラガラ押しながら時計を見る。
「集合場所には余裕で着くな!」
いかにも修学旅行へ行きます!的な見た目に通りすぎる人は心の中で「いってらっしゃい」なんて、思っているかもしれない。
俺は歩きながら、戸締まりの再確認を――――…
あれ?…あれ?
俺――――…台所の元栓…閉めたっけ?
ふと、頭が真っ白になる!
鍵はかけた――――、ちゃんと指差し確認した!
でも、台所まで気が回ってなかった!?
「あ―――…ぅ~~~~~!気になる!」
家を出た時あるある…だと、自分でも思うのだが…
一歩前に進むごとに気になって仕方がなくなる!
時計を見ると、余裕を持ってでたかいがあってか、戻ってもまだ間に合いそうだ!
「気になるなら戻ろう!」
俺は、今来た道を戻ることにした!