ひとつ屋根の下の愛情論
第10章 裏表の夏
「 ねぇ、ど~して都外の大学なの?興味のある分野が都外なの?」
とかく…彼女は学校以外だとおしゃべりで積極的だと分かるまで時間はかからなかった。
しかし、時折見せる――――…媚びた口元や目元…ましては胸元が…
怖かった。
「そう言えば――――…髪…伸ばしてるの?」
俺は春から伸ばしっぱなしにしていた髪に手を当てて…うつむいた。
「あ~…そう、願掛け…」
「///え、そうなの?大学受験の願掛けかぁ――――!意外」
俺は「へへへ受かったら切るよ」と、もっともらしい嘘を横沢さんにした。
本当は――――…
律夏のタイプの女性が…ショートカットだと気がついたから…
この間、律夏の部屋と化した客間に新しい雑誌を見つけた…
何気にページをめくると…
グラビアのページで手が止まった。