ひとつ屋根の下の愛情論
第2章 非道な訪問者
頬に感じる絨毯と…後ろ手で縛られている状況…
あれ?俺――――もしかして、目も塞がれて…猿轡もされてる?
目を開けているのに暗い…
声を出したいのに出ないし、苦しい…
完全に――――捕らわれて…縛り上げられてるって状況だと理解した!
「ん?――――んんん…」
「あ――――おい、ガキ起きたか?」
ガキ――――って、そりやぁ、ガキだけど…高3だぞ…ガキの部類に入るのか?!
「ったく――――…何、帰ってきてんだよ!ビックリして殴っちまったじゃねぇ~か!」
男の声が頭の上から聞こえる…
居間の絨毯に縛り上げられながら転がされているのだろう…俺は自分の情けない姿が想像できた。
「ん――――!んんん!」