ひとつ屋根の下の愛情論
第12章 沈殿する記憶と思い
「ん~だよ…つまんねぇ~の!まぁ…そうは言いつつ!俺は〇〇駅前の塾に通うことにしたから///そっち方面で出会いがあるかも~!」
木戸はこことはだいぶ離れた場所の塾に通うと言う。こいつの事だ――――…絶対に出会いを求めて塾を選んだに違いない…
ちなみに〇〇駅は近くに女子高があり――――…その女子高生が利用する駅だ…
「木戸――――鼻の下が延びてるぞ…」
「ハッ!?マジで?」
木戸は慌てて口元を隠した。
俺はそんな木戸に笑った――――…
そうだ…これが――――…普通って言うんだ…
木戸の“彼女が欲しい!”と言う…普通の感覚に俺は――――…
溝を感じた。
俺は――――…
律夏の…あの鋭い視線が――――…
欲しいのだから――――…