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ひとつ屋根の下の愛情論

第14章 側にいる理由


燃え盛るキャンプファイヤーの火の粉を掴まえ――――それを握りながらお目当ての人に告白をすると成功する。


と、言うものだった。


ありがちな伝説で一年の時は鼻で笑っていた訳だが…


2年間にわたり…キャンプファイヤーの前で告白を成功させてきている先輩たちを見ていると…信じたくもなる。


しかし、成功した先輩もいれば失敗している先輩も見てきているはず――――…しかし、人間は都合の悪いことは記憶に止めない…


成功例しかインプットされない都合のいい脳みそは――――…すでに伝説のキャンプファイヤーを崇め始めている。



「つ~か、そもそも…相手――――いるのか?」


吉川に聞くと…


女子高近くの塾に行って正解だったと…吉川は親指を立ててグッドポーズをする。


その姿を見て――――周りの奴らは「失敗するな」と吉川を哀れな目で見た。




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