ひとつ屋根の下の愛情論
第14章 側にいる理由
しかし、その話で盛り上がるのは吉川だけではなく…3年生は後夜祭に誰を誘うか…と言うことでも盛り上がっていた。
受験前――――最後のイベント…
恋愛に難のない者たちが…俺は羨ましかった。
伝説に頼ろうが…俺の“恋”は――――…
絶対に成功しない。
それだけは――――分かるから…
「しかし、今年は俺たちのクラスが“お化け屋敷”をやるとはなぁ~!女子は喫茶店で押してくると思ったのに!」
昨年はお化け屋敷とメイド喫茶で男女で意見が別れ――――…間を取て“ハロウィンコスプレ喫茶店”となったが…
どっち付かずな中途半端なコンセプトと他のクラスとの喫茶店かぶりで…売り上げは散々たる結果だった。
しかも、準備も片付けも大変で…後夜祭まで片付けに追われてしまった…
流石に、高校最後の後夜祭には参加したい女子たちが「やるなら、最高に怖い!お化け屋敷をやろう!」と、――――男子念願の“お化け屋敷”をやることになったのだ。
女子たちも…ごり押しした喫茶店に引け目を感じていたのか…協力的だ。
そのおかげか、どこのクラスにも負けない団結感が生まれている。