ひとつ屋根の下の愛情論
第14章 側にいる理由
他のクラスは喫茶店やミニ劇場ってのをやるらしい――――…
「福田~!楽しみだなぁ!他校の生徒も来るし!大学に行った先輩も来るって言ってたから――――…出会いに悩むことはもうないぞ!」
「はいはい――――…」
吉川は俺の肩を揺さぶりながら鼻息を荒くする。
「吉川う~る~さ~い~!」
「吉川う~ざ~い~!」
「吉川く~さ~い~!」
「!おい!誰だ――――!最後、悪口言ったのは!俺は“多分”臭くない!」
「多分とか!自信ないのかよ!うける~!」
吉川はキャーキャー言う女子と、結局仲良く言い合いながら席をたち帰ろうとする。
「福田も途中まで帰ろうぜ~!」
「あ――――、おぅ…」
俺はそんな吉川の後ろを着いていく。