ひとつ屋根の下の愛情論
第14章 側にいる理由
「それと――――空き巣の件で…怪我していただろ?その後遺症とかは大丈夫か?」
担任は空き巣にボコボコにされた事は知っているが…
あの件は知らない――――。
だが、何を言われるのかビクビクしてしまう。
「――――大丈夫です。カウンセリングも受けて…こうやって日常生活には問題ないですから」
「そうか――――…何かあったらすぐに言えよ?微力だが…一人で悩むより…いいとは思うから」
そう言うと、担任は「時間を取らせて悪かったな」と指導室を一緒にでた。
ほんの数分――――…長く話をした訳じゃないのに…
すでに校舎には生徒の姿が見当たらなかった。
担任と別れ――――…校庭を見ながら帰る。
後夜祭メインのキャンプファイヤーの土台ができている。
――――先生…
俺には大きな悩みごとがあるけど――――…
貴方には言えません。
言っても――――困るだけでしょ?