ひとつ屋根の下の愛情論
第14章 側にいる理由
文化祭の準備は着々と進み――――…
あっという間に本番の日を迎えた。
俺のクラスは暗幕を上手く使ったお化け屋敷で男子も女子も各々客を脅かす服装に着替え出番を待つ。
「福田は――――純粋なお化けじゃん!白い着物に長い黒髪カツラ…定番中の定番だな!」
吉川は見事にゾンビメイクを、施され――――俺に笑う!
「うわ!その顔で笑うな!怖いっ――――って!」
吉川は鏡を見てガッカリしている。
「なんで俺は負けるかなぁ~…このメイク落とすのに時間かかって後夜祭行けなかったら――――ど~すんだよ!」
後夜祭に何かしら期待をしている吉川はガックリと肩を落とした。